社会問題にもなっているセルフネグレクトとは?

ゴミ屋敷や孤独死の大きな原因の一つであると言われているセルフレグレクト。セルフネグレクトとはどのようなことなのでしょうか?直訳すれば、セルフは自身、ネグレクトは怠慢。つまり、自己怠慢、自己放任という意味です。人と関わること、健康的に生きることに消極的になり、生きていくことに投げやりになる状態です。現代社会の闇の一つとも言えるでしょう。

セルフネグレクトと孤独死

セルフネグレクトの人の多くは「もう自分には構ってくれるな」と、周囲に対して素っ気ない態度を取ります。そのような言動を繰り返すうちに、周囲からも「勝手にしろ」と距離をおかれてしまいます。親切な助言も受け入れなくなるために、友人・知人のみならず親族とも疎遠になってしまいます。

毎日の生活に興味がなくなることが根底にあるため、栄養のある食事をとらず、入浴もせず、もちろん、部屋の掃除もしません。アルコールや薬に溺れてしまうこともあります。体調を崩しても、通院しません。その結果、誰にも知られぬまま孤独死をして、しばらく経ってから発見されるという悲しい結果となることもあります。実際、孤独死の原因の大半がセルフネグレクトだと言われています。また、孤独死=高齢の方と捉えられがちですが、独身中年の方がセルフネグレクトから孤独死に至るケースも少なくありません。

セルフネグレクトとゴミ屋敷

セルフネグレクトとゴミ屋敷は、悪循環のスパイラルの関係にあります。気力の低下によって身の回りのことをしなくなり、それによって部屋にゴミがたまっていきます。ゴミが溜まることで人を家に呼べなくなり、家族や友人づきあい、福祉サービスをも拒むようになり、いっそう生活環境が悪化するのです。
やがて、不衛生な生活から体調を崩し、周囲の人が気づいたときにはゴミ屋敷の中で孤独死されていたというケースが跡を絶ちません。

セルフネグレクトの原因

セルフネグクレトの原因は様々です。
ひとつめは、人間関係。離婚や、家族、友人とのトラブル、職場の人間関係、様々な人間関係に関する落胆がセルフネグレクトの原因となると言われています。
そして、病気。自分自身の病気や家族の病気によって、以前のように生活ができなくなることがあります。病気による生活の変化に心や体が順応することができなくなることがセルフネグレクトのきっかけの一つとなります。特に認知症や、精神的な病などは、周囲に助けを求めることが困難な場合もあります。そのことが原因でセルフネグレクトにつながることもあるようです。
そのほかに、災害との関係性も指摘されています。被災して生活が大きく変わったことがきっかけでセルフネグレクトに至るケースです。家や家族、友人など、大切な拠り所を思いがけず失ってしまうことが大きなストレスとなるのです。
こうして挙げてみると、セルフネグレクトの原因は、とても身近に多く転がっているということがわかります。

セルフネグレクトを防ぐために

ひとたびセルフネグレクトの状態になってしまったら、本人や周囲の力で立ち直るのは相当困難です。そのような状態になる前に、未然に防ぐことを目指しましょう。
孤独にならないためには、人間関係のチャンネルを複数持つことが大切です。家族・友人・地域・職場等どれかひとつの人間関係しかない場合、それを失うと頼れる人がいなくなってしまいます。できるだけ複数のコミュニティに参加し、人間関係の幅を広げておくと良いでしょう。
人付き合いが苦手な方は、日頃から医療・福祉・行政サービスなどを頼って慣れておくのも手かもしれません。

また、一人暮らしの家族や親族がいる場合も、孤立の兆候がないか気を配るといいでしょう。日頃から社会参加するよう勧め、孤立しない環境づくりを促しましょう。

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